強さと誇りと [日々徒然]
先日、祖父が他界した。
ここ数日は仕事の段取りと葬式と多忙を極め、ちょっと疲れ気味。
久しぶりに泣いた。ありがたいことに葬儀に参列してくれた人もみんな泣いてた。
多くの人から愛された祖父だったんだな、と。
母の死から16年が経ち、この道を選び、二度と大事な人の死に際して後悔のないようにと思ってたが…
人間なかなか成長せんものだ。
仕事柄、今まで幾人もの死を見送ってきたけど、やはり身内の死に際は違う。後悔の念は隠せない。
多大な愛を与えられながら愛を返さず、多大な期待を受けながら期待に応えず…
今思えば、ああしてれば、こうしてれば、と後悔ばかり。それはきっとこれからも何度も繰り返す消せないもんなんだろう。
電車を乗り継ぎ2時間揺られ、駅に着くといつも祖父が迎えてくれた。田舎まで100kmの道のり。10歳の子供の一人旅はちょっとした冒険だったけど、着くまでの時間、田舎で祖父と遊ぶことばっかり考えて楽しみで仕方なかった。
除夜の鐘が鳴ると祖父と二年参りに出かける。お参りの作法を誇らしげに語る祖父について歩いた雪道。国鉄職員時代の話や戦時中の満州の話。そして、教えくれた歌。
全部、二人だけの想い出になってしまった。
子供の頃、祖父は強くて怖い存在だった。よく叱られた。
俺は姉と比べて軟弱だったから。宗家の嫡男が軟弱なのが祖父は気にいらなかったんだろう。いつでも男の子は強くあれ、誇りを持て、と。
子供の頃、俺にきつくあたったことをずっと祖父は気にしてたみたいだけど…
俺はぜんぜん気にしてない。そんなことも祖父に伝えてなかった。
いつでも気丈な祖父は強さと誇りの塊のような人だった。
それはいつまでも俺にとって誇りと呼べる存在。
これからは俺が祖父の誇りにならなきゃいけない。そうなれるよう頑張らないと。
いつでも強くあれ 誇りを持て
祖父の言葉を忘れずに
さよなら、じいちゃん
そして、ありがとう
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